【工事記録】新築住宅 H様邸
2018年3月
建て替えのお客様のお家の解体工事が着工しました。
まずは内部の解体を進めて行きます。
断熱材や木材を手作業で分別していきます。
昔は分別もなく一気にこわして一気に捨てるという
状態で解体していきましたが、最近は分別が厳しく管理され、
産廃のルールを守らないと引き取ってもらえないという事もあります。
その為職人さん達も手作業できっちり仕分けて行きます。
弊社が採用している地盤調査方法は
スウェーデン式サウンディング試験という方法で、
専用の機械を使って、杭を支持層まで打ち込んで、
その支持層までの深さを測るというものです。
今回は地盤の強度が基準値に満たなかった為、
杭工事を行うことになりました。杭は基礎工事前に施工します。
杭の打ち込む場所を出すために、事前に遣り方を出します。
遣り方により、建物の位置と基礎の高さを決めて、
杭工事へと進んで行きます。
こちらの土地は地盤調査の結果、各計測地点の支持層が現状GLより
2.5m前後低い位置にありました。
基礎ベース下から支持層まで到達する長さ(約2m)のパイルを
布基礎の直下に打ち込んで行きます。
弊社はベタ基礎工法を採用してるため、一般的な布基礎工法よりも強度があり、
水平剛性も保たれ地盤沈下もしにくいという利点があります。
ベタ基礎工法に杭を打つ事で更に基礎が安定し、耐久性、
耐震性に優れた基礎に仕上がります。
パイルをかわしながら掘り進め、砂利を敷き込んで行きます。
レベルをみながら砂利を敷き込み、しっかり転圧をかけて根堀は終了です。
基礎の底盤となるベースの枠の組立が行われました。
ベース枠が組まれた後は、ベース下全面に防湿シートを敷き、
その上に断熱材を敷き込んで行きます。
杭にベースがしっかりと乗るように、
杭とベースの間の防湿シートと断熱材は切り欠きます。
少々手間ではありますが、この一手間が大切です。
ポンプ車、生コン車、左官屋さん、基礎屋さんが
続々到着し、打設開始。
型枠材が搬入されました。
弊社の基礎は、基礎断熱工法という工法で、
基礎外周部に断熱材を打ち込むことで、
床下も室内同様の空間に作る事ができます。
基礎断熱のメリットは、床下も気密化されるので、
一般的な基礎のように土台や大引が外気に接する事がないので、
腐れなどの心配がないということ。そして床下がオープンなので、
将来的に水廻りの場所を変えたいなどのリフォームも、
比較的簡単に施工する事ができます。
デメリットは、若干建築コストがかかるという事。
鉄筋とコンクリートを一般の基礎よりも多く使うので、
その分コストもアップしてしまいます。
ただ、長い目で見ても、費用対効果は得られると判断して、
弊社はこの工法を採用しています。
布基礎の打設を行いました。
屋外設備工事と埋め戻しが行われ、基礎工事も終了となります。
写真は都市ガスの屋外配管埋設工事の様子です。
今回は都市ガスを引込み、エコジョーズを設置する予定です。
こちらはスカート断熱敷き込みの様子。
スカート断熱は、地域(凍結深度)や、
基礎の底盤の高さによって、幅が決められています。
基準に添って敷き込んでいきます。
埋め戻しの様子。
駐車スペースはアスファルトにする予定ですので、
予め砂利の入替をしておきます。
基礎工事が終了し、引き続き大工工事が始まりました。
まずは土台の位置を決める墨出しを行います。
基礎と土台の間には気密材を挟み込み、
基礎に冷気が侵入しないよう、しっかり気密処理を行います。
土台は防腐土台は使用せず、ヒバの集成材を使います。
床下が室内と同じ空間になりますので、
出来るだけ薬剤を使用した材は使わないようにしています。
土台と大引が掛かり、床の合板を敷いて行きます。合板の厚みは28㎜。
厚い合板を使用する事で水平剛性をしっかりと確保します。
あっという間に屋根がかかりました。
弊社は在来工法を採用しておりますが、従来の仕口とは違い、
主要構造部は全て高強度の金物で接合して行きます。
木材も集成材を使用し、耐震性や耐久性を向上させます。
屋根合板が貼られた後は、ルーフィングという防水紙を貼ります。
雨水が漏れない様、ジョイント部は防水テープで処理します。
建て込みが始まり、透湿防水シートを貼るところまで進みました。
よくみかけるこのシートは、通称タイベックシートとも呼ばれ、
室内側の湿気を外に逃がし、外からの水の侵入を防ぐ役割があります。
壁内に湿気が溜まると、グラスウールの性能が一気に落ちますので、
外からの湿気や水はシャットアウトし、室内側からの湿気は外に逃がす
という事が大切です。
室内では、床暖用の土間コンクリートを打つ準備が進められていています。
土間コンクリートを打つ前に、断熱材を敷き込み、地面からの湿気と冷気を遮ります。
この後、鉄筋を並べ、床暖のパイピングをしてコンクリートを打設します。
今回のご住宅は、床暖仕様のご住宅ということで、
打設前に温水のパイピングをしておきます。
基礎屋さん、ポンプ屋さん、左官屋さんが勢揃いして、
手際良く作業が進められて行きます。
打設が終了した後は、左官屋さんが刷毛で仕上げを行います。
スロープ部分は足元が滑らないように、
コンクリートの刷毛引き仕上げにしました。
サッシ取り付けと付加断熱の施工を行います。
サッシは、南面以外はトリプルサッシを採用。
南面はあえてペアガラスを採用する事で、
冬場の太陽の日射を最大限に利用して、
室内に沢山太陽熱を取り込みます。
ということで、弊社では出来るだけ南面には
大きい窓を採用します。
サッシを取り付けた後は、付加断熱の施工を行います。
今回は押出ポリスチレンフォーム50㎜を付加します。
ユニットバスの組立が行われました。
1.25坪の広々としたユニットバス。
今回はパナソニック製のユニットバスを採用しました。
パナソニックさんのユニットバスは、
内部のカウンターが少し小さめで、
カビや汚れが溜まりやすい入隅部を
極力少なくする設計になっています。
お風呂の掃除は以外と重労働ですので、
こういった配慮はとてもうれしいですね。
内部工事ではフロア貼りが進んでいます。
今回は、コンクリートに直接フロアを貼る
直貼り工法でフロアを施工しています。
下地がコンクリートの為、足触りが堅くなりすぎない様、
直貼り用フロアの裏面にはクッション材が貼られていて
足触りが心地よいです。
大工さんの工事が終わり、クロス工事を行っています。
外壁の塗り壁工事が終了しました。
今回は、ホタテの貝殻で作られた塗り壁
「ビオシェル」という商品を採用しました。
ビオシェルは道産の塗り壁材で、ホタテの貝殻からできた
エコな外装材です。自己浄化作用もあり、汚れも付きにくい
というのが特徴です。
塗り壁材が乾いたら、次は仕上げの塗装工事に入ります。
内部では、設備屋さんが配管工事を進めています。
きれいに並べられた配管。
職人さんの丁寧な仕事ぶりが伺えます。
床下は室内と同じ環境となりますので、
いつでも気軽に床下に入る事が出来ます。
メンテナンスも容易ですし、
将来的に水廻りの場所を変えたい。
なんていうリフォームも比較的簡単に出来てしまいます。
外壁の塗装仕上げですが、塗り壁にはグレーの色が塗られ、
ぐっとシックで落ち着いた雰囲気に変わりました。
室内では建具屋さんがカウンターなどの造作材を取り付けています。
オリジナルダイニングテーブル。この上に白のシートを貼って、
カップボードと一体になるような雰囲気に仕上がります。
美装が終わり、カーテン類が取り付けられました。
ユニバーサルデザインを取り入れた間取りで広々としたリビングです。
今回のご住宅は、
国の省エネの評価基準であるBELSの認定を受けました。
評価は「BELS☆☆☆☆☆」BELSの中でも採光ランクの☆5つ。
ティーメイスの建物は標準でこの評価を頂ける仕様となっています。
建物は、完成してしまうと壁の中身を見る事はできません。
中身は全然ちがうのに、一見同じような建物に見える事もあります。
ですので、建てる前にしっかりと構造や性能について
知って頂きたいと思います。
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